三勝染め―全国の産地 / 織・型・染

織り・生地

三勝のもめん生地は、産地に残る小幅織機(こはばしょっき)で織られたものです。きもので使用する鯨尺(くじらじゃく)でいうところの巾1尺(約38cm)長さ3丈4尺(約13m)程が1反=一着分となります。

織機、白い糸、染めた糸、地紋、中、風合いなどを決めていく作業は大量生産される広幅(ひろはば)の生地とは違い、修繕しながら使い続ける小幅織機ならではの物語があります。群を抜いた数の生地揃えは、弊社の特長でもあります。

型紙・図案

100年以上、ゆかただけを作り続けてきた三勝。 その長い時間に伝承されてきた数多の図案や型紙の多くは、 三重県鈴鹿市で彫られた「伊勢型紙」です。 特に多くを占めているのが注染の型紙。 注染の特徴である、型紙一枚で多色の色が染め分けることを 可能にしているのも図案とその彫り方によるものなのです。 染料をジョウロから流しいれて染める注染は、 葉脈のひとつひとつに強弱をつけて彫ることで、 型紙と染めによる繊細な花鳥風月が描かれています。

染め

注染は6種の染料の種類の組み合わせで、 色を表現する染物です。染料の粉をグラム単位で量ることから始まり、 温度を加えて調合します。使用する色の面積によって多種あるサイズから 2つのジョウロを使い分け、染料色を掛け合わせ、 色の濃淡で陰影と奥行きを出してきます。柄を載せるのではなく、糸を染める注染の証は表裏同様に 染まっているのが特長です。